卒業設計(東京大学工学部建築学科)において設計した作品。 奨励作に選ばれる
建築や都市における庭は自然物を配することによって人工物を補完している。
自然物そのものに頼らず人工物のみで庭を造る、則ち建築であると同時に庭であるような空間を試みた。
自然の美しさ、特に変化による美しさを人工物により表現する手法として「折紙建築」を用いた。
「折紙建築」は可動折板構造により構成され、折り畳み具合による形状の変化、見立てによる作品の表現などの折紙特有の性質を有する建築様式として定義し提案する。
敷地は港区白金台で、庭園美術館、国立自然教育園という二種の庭に隣接する地である。
この地に庭を構築し展示空間として活用する。
地上部分は、コナラ、クヌギの二次林を折紙建築で表現する事で、季節による自然の変化を建築化する。
地上は開放され公共の庭となり、同時に多目的な展示空間として活用される。
一方地下部分はデジタルミュージアムとし最新のVR技術を介して有象無象の展示を行う。
「物」のみならず「空間」や「感覚」など形を持たない物の展示を行う。
リアルな空間を用いるVR装置により現実空間と同じアフォーダンスを持った展示物とのインタラクションが可能である。